2012年6月26日火曜日

東大寺梅雨のころ






































梅雨の中休みの東大寺は、修学旅行の生徒で賑やか。シカに逃げ惑う姿幼さもまた微笑ましい。幾度も来るお寺なのに、初めて気がついたもの…門や取っ手に見る金具のハート形。 探せばあちこちで、なんとも愛らしさ感じる。きっと古の人々は、カタバミのような植物を模したのでしょ?と思った。けれど、これは植物ではなくイノシシの目、猪の目というのだそう。そう思ってみたらシシ神なども想いおこし、また別の雰囲気帯びる。

もう一つ見落としていたもの…中門の跋扈毘沙門天を支える地天のお姿。鎧も厳つい毘沙門天の足を、手のひらにしっかりのせ、両脇には鬼を従え穏やかなお顔。地天は元はバラモン教の女神で、跋扈はシルクロードの要所、今の新疆ウイグル自治区トルファン。大地の堅牢と万物を生み出す、恵みの女神はいずこも永遠…素敵でたのもしい。 




古代瓦のお寺























猿沢の池を過ぎ町中をしばらくいくと、元興寺があり初めて立ち寄る。元は飛鳥寺をうつしたものだそうで、今はこじんまりした佇まい。本堂屋根に残る最古の瓦に往事の余韻とどめる。ここも破風板の掛魚に、猪の目の刳り貫き。それはやはりイノシシの目というよりハートに見え、他にスペードやクラブもあって…トランプ思いだす。きれい美しいと思う形もまた、時代を超え共通する感覚につながるのかなと思う。こちらのお寺は桔梗のころで、蓮は蕾みがそろそろ開きかけていた。 




新薬師寺


















先週末の奈良にて。奈良町中心部より少し東端に足をのばす。若草山に続く山を背にした静かな佇まいの通りに、作家や画家はじめ大正以来の赴きある家々が並ぶ。その先には新薬師寺。外観内観、シンプルさがきれいなお寺。天井のない本堂内は木の枠がすっきり並び支え、経年による色彩の退化が、色を抑えたモダンなギャラリーのよう。十二神将があまりに有名なので、実物に対面したら、ああ、あなたね…と懐かしい感じも。薬師如来は目が大きくて、横に傾げた右手…ちょっと愛嬌もあり、そんなお顔に似る方が思い浮かんだ。




2012年6月22日金曜日

夏至の頃

















今朝は思いがけない強い雨脚で、蔓や枝がまた切れやしないだろうかとちょっと懸念。先日の台風ではトマトを守りきれず、太い茎が折れ可哀想なことになった。まだあまりに青く固く、こうして眺めるばかり。雨はじき小降りとなり、梅を引き取りに行く。青梅1kgは蜜煮に作る。南高梅10kgは梅干し用に樹上で色つかせたもの。程よい黄熟は三分の一ほどだったので、3kgをまず塩漬けにし残りはあと少し追熟を待つ事に。梅雨空の下、杏のような甘い香りに少しの眠気が混じりしばし至福…も、和歌山の浸水を聞き驚かされる。えびらに広げた梅がせつなくてとても大事にみえた。



2012年6月17日日曜日

夏椿のころ

























梅雨入りから日ごと花を開くヒメシャラ。露を馴染ませ静かに咲いて、うっとおしい雨模様をしっとりの落ちつきにみせてくれる。 今日のような陽射しには花もちょっとびっくり、眩しそう。晴れ間は虫たちがいそがしく活動し、玄関のヒメシャラには蜂がしきりにやってくる。白い蝶は庭を飛び回り、ストローからブルースターの蜜をしっかり吸い込んでいた。ブラックベリーもピンクの小さな花を次々に開いて虫たち誘う。




2012年6月5日火曜日

芒種のころ




























昨日の蔓バラたち。ジャスミーナが満開で、一つの枝に10ほどの花付きは果実のたわわのよう。淡いもも色のニュードーンはそろそろ咲ききりそう、散った花弁が地面にこんもり。アイスバーグは昨年より花数増え、毎朝その白に憧れる。紅いバラは東側に咲いた木立性の剣咲き、今年二輪だけ咲いたもの。名前…なんでしょう。緋色のバラは朝の目をしっかり覚ましてくれるので、それもいいなと思う。

2012年6月1日金曜日

麦秋至るころ











































今朝のクレマチスたち。東のアーチには紫紺のクレマチスが開花、南側にはつつじ色のヴィチセラ。ワイルドベリーのハンギングは、鳥にちょうどよい足場のようで小首かしげる姿は愛嬌…つい啄まれるに任せてしまう。昨日、お料理での汁物は蚕豆のすり流し。うらごしした豆色の中にホワイトアスパラ、ふっこの切り身の白が浮く。ふっこは50cmほどのものをさばく。脂のりと張りのある身、背はお造りにし腹側を天ぷらそして椀だねに。擦りのばした西京味噌も入り、緑もこっくり優しい汁物。