2012年4月22日日曜日

よもぎの頃



















今朝摘んでもらった庭のよもぎ。薬のような青い香りが、色々な草花摘んで刻んだままごと遊び想いださせる。葉はまだやわらかくて重曹なしでも灰汁はそれほど強くなさそう。湯で汁がわさびのような色に染まる。しぼってフードプロセッサで挽いて、擂鉢にも少しあてる。上新粉と白玉粉をこねて蒸し上げよもぎを混ぜ込み、同時に炊いた大納言をつぶあんにして包みよもぎ餅に。緑茶によもぎのお餅…葉っぱを豊富に感じる日。



2012年4月21日土曜日

穀雨


























花曇りの下に鉢の桜がほぼ開花、一昨年いただいた一才桜"旭山"。 昨年より3週間ほど遅く、東北の桜と同じ見頃に。吉野白山桜のやわらかさをみた後にこちらは色も濃くなんというかコケティッシュ。 クレマチスも順次咲き出し、ウェッセルトンはほぼ満開。モンタナは、昨年挿し木したものが、10センチ足らずの可愛らしい大きさで花を一足先に開いた。蔓の蕾みは今年は100個ほど、昨年よりだいぶ増える。たわわな丸いピンクの膨らみに期待感いっぱい。スイセンも盛りで今日は切り花にとる。新緑は日ごと色増やして一番よい気候のころ。


2012年4月17日火曜日

花の斑鳩

































日曜日は慣れないJRと近鉄乗り継ぎながら、有馬温泉から奈良へ戻り法隆寺へ。中宮寺の如意輪観世音菩薩に会う。ここも特別展示の時期で、天寿国曼荼羅繍帳のオリジナルが本堂に公開されていた。中に上がり、美しい菩薩に相対すように正座、そして傍らに最古の刺繍を間近にみる。今に残る糸の色は後期に修正されたものよりも、往事のもののほうが鮮やかということにも感嘆。 観る人々は静かに驚きの声あげていた。
月のうさぎが挽いているのは薬だそうで、天寿国でも聖徳太子にきっと欠かせない。今もその絵柄や色に惹き付けられやまないのは、時の厚みとそして何より繍帳に込められた橘大郎女の想いに人々が心寄せるから…そう思う。本堂回廊からは夢殿と桜を臨む、春の尼寺は桔梗に囲まれ可愛らし気だった。



女人高野





































吉野山の翌日は、雨模様の室生寺へ。山が霧の衣に深く被われる。古寺に雨も静かで似合うもの…しっとりした石の階段をゆっくりあがる。金堂では普段は回廊からしか臨めない菩薩各像や十二神将像を、この時期はお堂の中に座り近くに拝める。十二神将のうち2体はいつもお出かけで、数十年の約束で留守になるとか。十一面観音像はじめ仏像は皆やわらかに並び立つ。杉の巨木が続き、根が岩山をつかむ力強さはこわいような感じ、息をのむ。長谷寺と同じくここもとても好きなお寺。


弥勒磨崖仏



































室生寺を出る頃には雨も上がり、陽がさし始める。大野寺では枝垂桜が満開。色香漂わすような独特なボリューム感が美しい。宇田川をはさむ彼岸には弥勒磨崖仏。蓮座からは11メートル以上ある大きなもの。ちょうど雲の合間に午後の陽がのぞき、菩薩が照らされた。石に刻まれた線は柔らかいカーブ描き、柔和な面持ち、優雅な手の表情。アンコールワットの女神たちをちょっと思いだす。桜に木蓮ほか、大野寺の春も花盛り。                                       
             

2012年4月16日月曜日

龍穴神社

















室生寺から室生川沿いにのぼり、森に入ると龍の住処があるという。そこに行き着くには、龍穴神社から装束に着替えるよう勧めが書かれてあるけれど、誰もいない様子。とても小さな穴らしいけれど。もしかしたら…とも思えるから次回は訪ねてみたい。室生川では釣人の姿もあり春のうららか。古い石橋の奥にはシカの集団を発見、びっくり。そっと手を振ると、みんな固まるようにこちらを見つめた。 静かにあと1メートル…近づいてみれば一斉に踵かえし、お尻の白色みせ奥の方へ跳ね帰っていった。


吉野山桜のころ

































先週の吉野山にて。桜は下千本が七分咲きほど、上千本あたりは未開花で、今年は少し遅めの様子。 花曇りのこの日、水分神社ではふき替えられた屋根の色の新しさが目を惹いた。杉林のぬかるみに時々滑りながら、奥千本の西行庵へ歩く。桜はまだ蕾の先にほんのりの赤、花舞小枝の色味をぼんやりと広げる。陽の届かない林の中は、シダ類コケ類が春の緑瑞々しく賑わう。

金峰山寺蔵王堂は特別開帳の期間。蔵王権現三像に初めて出会う。7メートル以上という大きさ肉付き感、鮮やかな色にびっくり…瑠璃の色は、青黒という慈悲の心あらわす色だそう。400年以上経た色がこれほどしっかり保たれる事に感嘆。鉱石鉱物にもきっと恵まれていたであろう古を肌近く感じるよう。

お堂裏手に続くのは写真展「OKUGAKE」の会場。 吉野〜熊野の湿った霊気がそこにたちこめ、護摩の炎は生き物のようにくねって昇る。経塚出土の銅版他には子供を抱く天女のような姿もあり、霊山の不思議色々。修験道は今も女人禁制という。そう聞いて、ふいに思い浮かんだのはブロッケン山に集う魔女たちのこと。ワルプルギスの夜にもし男性が混じり込んだら…空想したらちょっと愉快。懐かしい人々が白山桜と咲いていつか笑みにぎわう様…吉野山の春は魅力いっぱい。


2012年4月8日日曜日

花まつりの頃




















花まつりの日曜日、千鳥ヶ淵周辺でも花盛り人盛り。大きな流れと歩いていたのは、なじまないスーツに、ちょっとくすぐったいような初々しさの学生たち。行きつく先はそれぞれの入学式会場、あちこちで入学式日和のよう。人混み抜けて北の丸公園〜紀尾井坂を下る。清水谷公園ではあらためて大久保利通を偲び、そこから四谷まで歩く。変わらない桜並木の丘、花を見上げしばし立ち止まったのは、タイムスリップしたあの頃の学生の姿だった。