2014年11月29日土曜日

カルストの里





































































































阳朔河畔度假酒店からは、自転車での散策。この日は陽射しも強くなり、26度までにもなる。半袖に衣替え。周囲の村は稲刈りを終えた田んぼや畑、旬のザボンの樹も。奇峰の山々が、どこにもありそうなのどかな村の風景を、特別な雰囲気に変えていて圧巻。
それでも、ここで生まれ育った人々にはなじみの景色で、もし、そんな人々が鋭角でない山々に囲まれたなら…逆にとても奇異に感じるのかしらん…そんな気もした。

チワンの物売りをするおばあさんたちが、みなとても元気。身体もスリムで若々しいのが印象的。 皆ここの空気にも水にも誇りを持っている。一緒に住む息子さんが川下りの船頭という花売りのおばあさん、ここはとても良いところ、と嬉しそうだった。川面は山々を映しのどかに流れる。奇峰もそれぞれの形で、どこか愛嬌も。 阳朔の時間は静かにゆったり過ぎゆく。





水上画廊




































































桂林の街を出発点に、客船で漓江(li jiang)下りをする。終点の阳朔(yang shuo)まで、ゆったりとした船足で約4時間。周囲にはカルストの山々が重なり、桂林の代名詞として知られる水墨画の世界が広がる。 中国の20元紙幣の裏側と同じ風景の場所や、日本ではウーロン茶のコマーシャルが撮影された場所など、なじみの風景も。天気予報は小雨で、どうなることかしら…と思っていたけれど、曇りがちながら途中は薄日。想い描いていたと同じ水墨画の世界に浸る。
阳朔の街はカルストの山々が間近に迫り、ちょっとした奇怪さを感じる初めての風景。街中から車で20分ほどの阳朔河畔度假酒店(Yang shuo Resort) は、プライベート河川敷をもち、背後には奇峰。とてもオススメのホテル。



桂花の街



































































































































22日〜4日間、広西省の桂林へ。上海・浦東空港から南方航空に乗り3時間弱、桂林空港に着く。カルスト台地の街は思っていたより大きな街で、大変広い。地下鉄はないけれど、大通りには2階建ての公共バスが多く走り、便利そう。2輪バイクは上海より沢山走り、加えて三輪バイクも多く目につく。大通りの並木から広場の樹々に至るまで、キンモクセイが見事なほどの数植えられている。開花は10月〜11月、そろそろ花は終わりの時期。それでも、どこを通り過ぎても漂うその香りにまず圧倒される。想像できないほどの本数。

石灰岩の奇峰が景勝地としてあちこちにあり、さまざまなその形に、果てなく飽きずの想像ができる。七星公園から望む駱駝山の前では、元大統領のクリントンも記念撮影したそう。象鼻山も文字通りの形で、とても大きい。なにより興味深かったのは、その岩山の中にある酒造会社の酒蔵。岩盤に作られた瓶型の入り口を覗き込むと、お酒の強烈な香り。岩肌から漂うのは、湿り気ある土の匂いに強いお酒がしみ込んだような独特な空気。洞窟内は外気よりも温かく、一年を通して保たれるこの一定の温度が、お酒を寝かせるのに好都合という。象のお腹の中で熟成するお酒…普段は苦手な白酒の匂いも、こんなところで眠るのを想像すれば、複雑な味わい深さを感じる。

蘆笛岩の内部は鍾乳洞があり、だいぶ昔に放映された西遊記のロケがこの中でされたそう。孫悟空が暴れたという一番広い空間では、さまざまなショーも。洞窟内はやはり温かく、少し湿り気はあるものの、冬場に住むのに好都合かも?と思えるほど。
内部の鍾乳石も独特で、ムンクの叫び・や、宗教画にある悪魔のような姿を沢山重ねた…そんな雰囲気もつ石灰の連なり。ここもまた悠久の時間を感じる圧巻の風景。

桂林は少数民族チワンの人々の地でもあり、その特産品も様々。お茶もその一つで、桂花=キンモクセイの香りが美味しい花茶、”桂林王茶”を購入。他に、野生茶の田七茶も。そしてチワンの人々に伝わる青茶、八桂珍(羅漢果茶)は、三種の青茶が混合された、目にさまざまな効能あるというお茶。この冬はしばし、これらお茶も楽しみたい。



2014年11月20日木曜日

ザルツブルグ/8月
































































今年夏休みのオーストリア/ザルツブルグにて。ミュンヘンからは高速鉄道であっという間。ザルツブルグ音楽祭やモーツァルト生誕の街という華やかなイメージがあるけれど、とてもこじんまりした地方都市の感じ。街の背後の丘にそびえる中世の古城、ホーエンザルツブルグ要塞から、穏やかな広がりをみせて街がほぼ一望できる。中世の面影静かに残すただずまいで、少し懐かしさ覚えるような美しい風景。それでも、モーツァルトがこのサイズの地に留まるだけでは足りなかったということも、わかる気がした。

訪れたのはザルツブルグ音楽祭のまっただ中。初日夜はHAUS FUR MOZARTでのチケットを購入でき、とてもラッキー。Christian Gerhaherのバリトンとピアノを聴く。そして2日目、3日目はチェロとピアノの協奏曲。今回も思いがけない音楽の旅行に胸がいっぱい。ウィーンでのフィガロハウス、そしてザルツブルグでは生誕の家と、モーツァルトの地にこうしてまた立てたこと…少し前までは想いもしなかった。

ホテルザッハはこちらが老舗?なのかしらん、ザッハトルテもザルツブルグが本家本元とか。ウィーンでの味がよみがえり、なんとも甘い幸せふたたび。そして、今ごろからはコーヒーとチョコレートケーキがひとしお恋しい季節。上海音楽学院ホールでの演奏会も終えて、ようやくホ…との今週。フルーツケーキに杏ジャムをはさみ、ダークチョコレートをコーティングして、トルテ楽しみたい初冬の頃。