2012年4月16日月曜日

吉野山桜のころ

































先週の吉野山にて。桜は下千本が七分咲きほど、上千本あたりは未開花で、今年は少し遅めの様子。 花曇りのこの日、水分神社ではふき替えられた屋根の色の新しさが目を惹いた。杉林のぬかるみに時々滑りながら、奥千本の西行庵へ歩く。桜はまだ蕾の先にほんのりの赤、花舞小枝の色味をぼんやりと広げる。陽の届かない林の中は、シダ類コケ類が春の緑瑞々しく賑わう。

金峰山寺蔵王堂は特別開帳の期間。蔵王権現三像に初めて出会う。7メートル以上という大きさ肉付き感、鮮やかな色にびっくり…瑠璃の色は、青黒という慈悲の心あらわす色だそう。400年以上経た色がこれほどしっかり保たれる事に感嘆。鉱石鉱物にもきっと恵まれていたであろう古を肌近く感じるよう。

お堂裏手に続くのは写真展「OKUGAKE」の会場。 吉野〜熊野の湿った霊気がそこにたちこめ、護摩の炎は生き物のようにくねって昇る。経塚出土の銅版他には子供を抱く天女のような姿もあり、霊山の不思議色々。修験道は今も女人禁制という。そう聞いて、ふいに思い浮かんだのはブロッケン山に集う魔女たちのこと。ワルプルギスの夜にもし男性が混じり込んだら…空想したらちょっと愉快。懐かしい人々が白山桜と咲いていつか笑みにぎわう様…吉野山の春は魅力いっぱい。


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